燔祭の丘(建築探偵15)
ストーリー:「僕は-ヒトゴロシ」という謎の詩を残して消えた桜井京介は、父 久遠グレゴリによって幽閉されていた。一方、蒼と深春は北海道で京介が生まれ育った家を捜し求めたが果たせず、深春のみ一時帰京する。一人北海道に残った蒼に近づいてきたニキという女性。東京では門野によって幽閉されていたはずの松浦窮が脱走し、凶刃を振るい始める。
少しずつ明らかになる京介が久遠アレクセイだった頃の過去。20年前の全寮制進学校での忌まわしい事件。そしてついに姿を現す久遠グレゴリ…
感想:「あとがき」で篠田先生もおっしゃってますが、まさに「建築探偵カルトクイズ」(笑)かなり今までの作品のシーンやセリフの引用があるので、完全にシリーズを通して読んでいる方向けの作品。これだけ読んでも全く意味不明だと思いますので、気をつけて。
さて、完結です。建築探偵最終作。長かったような短かったような…とりあえず、終盤ことのほかネガティブな思考に走りがちだった京介が心配だったんですが、前向きな期待が持てるラストで心底ほっとしました。
今作で「桜井京介と久遠アレクセイ」の謎は解明されますが、結構オカルティックな部分が多いのね。京介はそういうものを全否定するタイプなのに、ナチュラルに受け入れているのが不思議。まぁ、父グレゴリは特別なのかな。生まれた時から刷り込まれてきたのだから、本人の知らないところで様々な洗脳というか暗示を与えられていてもおかしくはないか。
オカルティックといえば、輪王寺綾乃嬢初登場時に霊視(?)した赤いロザリオの謎が、ようやく解けました。綾乃嬢はまだ二十歳なのに、恐ろしくしっかり者で有能で、深春ごときが太刀打ちできる相手じゃないな(笑)多分一生彼女にコントロールされていくんでしょうね。とっても微笑ましい。
あと、驚いたのが神代先生が求婚しようとしていた相手。彼女のことは正直、好きになれないと思っていたのだけど、神代先生のモノローグだったり、終盤の彼女の言動を見ていると憎めなくなってくる。彼女が神代先生を好きだったのは本当だったんだろうな。幸せになって欲しかったけど。
とにもかくにも、建築探偵 桜井京介のシリーズはこれで終わり。篠田先生、お疲れ様でした。
「あとがき」によると、続編は無いけれどスピン・オフ作品での登場はあるかもしれない、とのことですので、またどこかで彼らに出会えることを期待しています。
一作ごとに京介・深春・神代、そしてなにより蒼が成長していく姿を見ているのが楽しかったです。蒼は本当に健やかに成長してくれて、嬉しい。
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